保安規程の作り方とひな形|自家用電気工作物の保安体制と点検・記録の定め方
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保安規程の作り方とひな形|自家用電気工作物の保安体制と点検・記録の定め方

2026年7月28日21分で読める

保安規程とは、自家用電気工作物の設置者が保安を確保するため自ら定め、使用開始前に届け出る社内規程です。

保安規程は、電気事業法42条が定める記載事項に沿って自家用電気工作物の保安体制・点検・記録の取り決めを文書化し、使用開始前に届け出る手順で作成します。作成・届出の義務は、設備を受託点検する会社ではなく、自家用電気工作物を設置する側にあります。

電気保安を受託する会社にとって重要なのは、顧客の保安規程作成を支援しつつ、規程で定めた点検の種類や頻度を実際の運用に落とし込むことです。本記事は、保安規程の作り方とひな形の考え方を電気事業法42条に沿って整理し、記載項目チェックリストと、規程上の点検区分を点検予定の自動生成・記録管理へつなぐ運用までを、受託側の視点でまとめます。

保安規程の全体像として設置者による作成・使用開始前の届出・遵守義務の三要素と受託会社の支援位置を示した図
保安規程の全体像として設置者による作成・使用開始前の届出・遵守義務の三要素と受託会社の支援位置を示した図

保安規程とは|作成・届出義務の基本(電気事業法42条)

結論から言えば、保安規程は自家用電気工作物の設置者が自ら定める社内規程で、電気事業法42条により使用開始前に届け出ることが求められます。受託点検会社は、この設置者の作成を支援する立場に立ちます。

電気工作物の設置から保安規程の作成・届出・点検記録の運用に至る位置づけフローを示した図
電気工作物の設置から保安規程の作成・届出・点検記録の運用に至る位置づけフローを示した図

保安規程の定義と義務主体(設置者)

保安規程とは、電気工作物の工事・維持・運用に関する保安を確保するため、設置者が組織や主任技術者の職務、点検・検査、記録、災害対策などを定める文書です。電気事業法42条(2026-06-25確認)は、事業用電気工作物を設置する者が保安規程を定めることを求めており、義務を負う主体は自家用電気工作物の設置者です。受託する電気保安会社は、この規程づくりを支援し、規程どおりの運用を代行する役割になります。受託業務の全体像は電気保安管理業務の全体像で整理しています。

作成・届出のタイミングと遵守義務

電気事業法42条(2026-06-25確認)は、保安規程を使用開始前に主務大臣へ届け出ること、そして設置者および従業者がこれを遵守することを定めています。実務上の提出先の正式名称(産業保安監督部長など)は運用で変わり得るため、所管官庁・e-Govで最新をご確認ください。届出は一度で終わりではなく、設備の増設や体制の変更があれば規程の見直しと変更の届出が必要になる点も、受託会社が顧客に案内しておきたいところです。

保安規程の作り方|記載項目とひな形の考え方

保安規程の作り方は、記載すべき項目の骨格を押さえ、ひな形を土台にしながら顧客の設備構成に合わせて具体化する流れが基本です。ここでは記載項目チェックリストと、ひな形を使うときの注意点を整理します。

記載項目チェックリストで骨格を押さえる

下表は、保安規程に一般に定める項目を、その目的と受託会社が支援できる範囲の三列で整理した設備HUBによる独自整理です。実在の導入実績を示すものではありません。骨格は電気事業法42条に基づきますが、各項目の細目(号立て)は電気事業法施行規則に委任されているため、条番号は必ずe-Govの原文で最新をご確認ください。

記載項目その項目で定める目的受託(電気保安)会社が支援できる範囲
組織及び職務保安を確保する体制と責任の所在を明確にする体制図・職務分担のたたき台を提示
主任技術者の職務・権限主任技術者が保安を統括できるようにする外部委託時の役割整理を支援
工事・維持・運用の保安設備の保安上の取り決めを定める点検・巡視の実務手順を提供
点検・検査点検の種類・頻度・方法を定める法定サイクルに沿った点検計画を作成
記録点検・検査の記録と保存方法を定める記録様式・保存ルールの整備を支援
災害・非常時対策事故・災害時の措置を定める緊急連絡・対応フローの整備を支援
保安教育従事者への保安教育を定める教育計画・資料づくりを支援
保安規程の記載項目チェックリストを項目・目的・受託会社の支援範囲の三列で整理した図
保安規程の記載項目チェックリストを項目・目的・受託会社の支援範囲の三列で整理した図

ひな形を使うときの注意(細目はe-Govで確認)

電気保安協会や所管官庁が示すひな形は、記載項目の全体像をつかむのに役立ちます。ただし、ひな形をそのまま提出すれば足りるわけではありません。受電電圧や設備の種類、主任技術者の選任形態は顧客ごとに異なり、規程の中身も実態に合わせて具体化する必要があります。記載事項の細目は電気事業法施行規則に委任されているため、条番号や号立てはe-Govの原文で確認したうえで、顧客の設備構成に合わせて調整してください。

受託(電気保安)会社が支援できる範囲

主任技術者の選任は、電気事業法43条(2026-06-25確認)により設置者が免状交付者のうちから選任・届出するのが原則です。自家用電気工作物(小規模事業用を除く)については、許可を受けて免状非保有者を選任できる場合もあります。さらに、電圧7000V以下で受電する需要設備などは、保安管理業務を外部委託し主任技術者を選任しないことの承認を受けられます(電気事業法施行規則52条2項・2026-06-25確認)。受託会社は、この外部委託承認の枠組みで顧客の保安管理を担い、保安規程で定めた点検体制を実務として回す立場になります。外部委託への切り替えの検討点は電気保安の外部委託への転換ポイントで解説しています。

主任技術者を自社で選任する場合と7000V以下受電の需要設備で外部委託承認を受ける場合の分岐を示した図
主任技術者を自社で選任する場合と7000V以下受電の需要設備で外部委託承認を受ける場合の分岐を示した図

保安規程で定めた点検・記録を運用に落とす

保安規程は作って届け出て終わりではなく、そこで定めた点検の種類・頻度を日々の運用に落とし込んで初めて意味を持ちます。ここでは、規程上の点検区分を点検予定の自動生成・記録管理へつなぐ考え方を整理します。

点検の種類・頻度を点検予定の自動生成に紐付ける

保安規程では、設備の種類や受電電圧に応じて巡視・定期点検・精密点検などの区分と頻度を定めます。具体的な頻度は設備や告示によって異なるため、点検サイクルの詳細は所管官庁・e-Govで最新をご確認ください。重要なのは、規程で決めた点検区分を契約に登録した周期として持たせ、前回実施日を起点に次回点検日を自動で起こす運用に落とすことです。設備HUBは、契約周期からの点検予定の自動生成と期限超過アラートに対応しており、規程で定めた点検を人の記憶に頼らず回す土台になります。下表は、規程上の点検区分を運用フローの各段へ対応づけたモデルケースで、実在の導入実績や削減効果を示すものではありません。

規程上の点検区分(モデル例)契約への登録点検予定の自動生成期限超過アラート記録・報告書
月次巡視規程で定めた周期を契約に登録前回実施日から次回を自動配置期限前に担当者へ通知モバイル入力から報告書PDF
年次点検規程で定めた周期を契約に登録翌年の同時期に自動配置期限前に担当者へ通知モバイル入力から報告書PDF
精密点検規程で定めた周期を契約に登録周期到来ごとに自動配置期限前に担当者へ通知モバイル入力から報告書PDF
保安規程の点検区分を契約周期・点検予定の自動生成・期限超過アラート・記録に対応づけた運用フロー図
保安規程の点検区分を契約周期・点検予定の自動生成・期限超過アラート・記録に対応づけた運用フロー図

点検記録・保存年数の定め方

点検の記録についても、保安規程で作成・保存の方法を定めます。ここで注意したいのは、自家用電気工作物の点検記録には、法令で保存年数が明示されていない点です。記録の作成・保存は保安規程(電気事業法42条・2026-06-25確認)に基づき設置者が定める建て付けになっています。そのため、受託会社は法律で何年と断定するのではなく、規程や契約で保存期間・保存方法を具体的に取り決めておくことが実務上のポイントになります。

記録の対象保存年数の扱い定め方
自家用電気工作物の点検記録法令による保存年数の明示なし保安規程(電気事業法42条・2026-06-25確認)に基づき設置者が保存期間・方法を定める

作成した記録は自家用電気工作物の点検報告書の様式に沿ってまとめると扱いやすく、設備ごとの保存期間の考え方は点検記録の保存期間の考え方で整理しています。

自家用電気工作物の点検記録は法定保存年数がなく保安規程で設置者が定めることを示した早見図
自家用電気工作物の点検記録は法定保存年数がなく保安規程で設置者が定めることを示した早見図

よくある質問

保安規程とは何ですか

自家用電気工作物の設置者が電気工作物の工事・維持・運用に関する保安を確保するため自ら定める社内規程で、電気事業法42条(2026-06-25確認)に基づき使用開始前に届け出ます。組織や主任技術者の職務、点検・検査、記録、災害対策などを定めます。記載事項の細目は施行規則に委任されているため、条番号はe-Govで最新をご確認ください。

保安規程は誰が作成し、どこに届け出ますか

作成義務・届出義務は自家用電気工作物の設置者にあります(電気事業法42条・2026-06-25確認)。法令上は使用開始前に主務大臣へ届け出る建て付けですが、実務上の提出先の正式名称(産業保安監督部長など)はe-Govと所管官庁でご確認ください。受託する電気保安会社は、設置者の作成を支援する立場です。

保安規程のひな形はそのまま使えますか

ひな形は骨格の把握に有用ですが、自社の設備構成・受電電圧・点検体制に合わせて記載事項を具体化する必要があります。記載事項の細目は施行規則に委任されているため、e-Govの原文で最新を確認したうえで、顧客の実態に合わせて調整してください。ひな形の丸写しでの提出は避けるのが安全です。

保安規程で点検の種類や頻度はどう定めますか

設備の種類・受電電圧・主任技術者の選任形態(自社選任か外部委託承認か)に応じて、巡視・定期点検・精密点検などの区分と頻度を規程に定めます。外部委託し主任技術者を選任しないことの承認対象には、電圧7000V以下で受電する需要設備が含まれます(電気事業法施行規則52条2項・2026-06-25確認)。具体的な点検頻度は所管官庁・e-Govでご確認ください。

保安規程で定めた点検記録は何年保存すればよいですか

自家用電気工作物の点検記録は、法令で保存年数が明示されておらず、保安規程(電気事業法42条・2026-06-25確認)に基づき設置者が保存方法・期間を定めます。そのため、規程や契約で保存期間を具体的に取り決めておくことが実務上のポイントです。設備別の保存期間の考え方は関連記事で整理しています。

まとめ

保安規程は、自家用電気工作物の設置者が電気事業法42条(2026-06-25確認)に沿って保安体制・点検・記録を文書化し、使用開始前に届け出る社内規程です。作り方の要点は、記載項目の骨格を押さえ、ひな形を土台に顧客の設備構成へ具体化し、規程で定めた点検区分を契約周期からの点検予定の自動生成・期限超過アラート・記録管理へ落とすことにあります。記載事項の細目や届出先、点検頻度は所管官庁・e-Govで最新をご確認ください。受託会社は作成支援から運用代行までを一続きで担うと、保安規程が現場で機能します。


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