電気保安業務の外部委託|換算係数と33点上限・受電7000Vの基準を実務で整理
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電気保安業務の外部委託|換算係数と33点上限・受電7000Vの基準を実務で整理

2026年7月14日25分で読める

電気保安業務の外部委託とは、受電電圧7000V以下の需要設備などで主任技術者を選任せず、保安管理業務を保安法人や電気管理技術者へ委託して外部委託承認を受ける制度であり、受託側は換算係数で表される受託件数の上限を管理しながら運用します。

自家用電気工作物の保安に関する義務は、本来その設備を設置する事業者(設置者)にあります。それを契約に基づいて代行するのが、保安法人や電気管理技術者などの受託側です。設置者が主任技術者を選任せず、保安管理業務を外部に委託することを認めるのが保安管理業務外部委託承認制度であり、その入口にあるのが「受電電圧7000V以下で受電する需要設備か」という対象判定です。受託側の実務の核心は、1人の保安業務従事者が何件の事業場を引き受けられるかを示す換算係数の管理です。本記事は受託代行の視点で、受電7000Vの基準・換算係数と33点上限の正しい理解・受託件数を束ねる運用を整理します。

電気保安業務の外部委託承認制度の全体像と受託側が換算係数で受託件数を管理する流れを示した図
電気保安業務の外部委託承認制度の全体像と受託側が換算係数で受託件数を管理する流れを示した図

電気保安業務の外部委託(保安管理業務外部委託承認制度)とは

結論から言えば、保安の一次的な義務は自家用電気工作物の設置者にあり、保安法人や電気管理技術者はその保安管理業務を契約に基づいて代行する立場です。

義務主体は自家用電気工作物の設置者

電気事業法は、事業用電気工作物を設置する者に保安規程を定めて使用開始前に主務大臣へ届け出ることを求め、設置者と従業者にその遵守を義務づけています(電気事業法42条、2026-06-25確認)。また設置者は、主任技術者免状の交付を受けている者のうちから主任技術者を選任し、届け出るのが原則です(電気事業法43条、2026-06-25確認)。つまり保安体制を整える義務は設置者にあり、受託側はその一部を代行する立場だという前提を、契約のスタート時点で共有しておくことが欠かせません。

外部委託承認は主任技術者を選任しない代わりの制度

保安管理業務外部委託承認制度は、一定の小規模な電気工作物について、設置者が主任技術者を選任せず、保安管理業務を外部の保安法人や電気管理技術者に委託することを認める仕組みです。設置者は委託先と保安管理業務の契約を結び、主任技術者を選任しないことについて承認を受けます。受託側から見れば、複数の設置者から保安管理業務を引き受け、定期的な点検と保安規程に基づく管理を代行する事業形態であり、後述する受託件数の上限管理が経営の前提になります。

外部委託承認の対象になる受電7000Vの基準

外部委託承認をめぐる最初の論点は「その事業場が制度の対象になるか」です。中心になるのが受電電圧の基準で、条文で明確に定められています。

受電電圧7000V以下の需要設備など外部委託承認の対象となる設備区分を整理した早見表の図
受電電圧7000V以下の需要設備など外部委託承認の対象となる設備区分を整理した早見表の図

受電電圧7000V以下で受電する需要設備が対象

主任技術者を選任しないことの承認対象には、電圧7000V以下で受電する需要設備が含まれます(電気事業法施行規則52条2項、2026-06-25確認)。多くの中小ビル・工場・店舗などの高圧需要設備がこの区分に当たります。受託側は契約物件ごとに、まず受電電圧が7000V以下かを確認することが対象判定の起点になります。

需要設備以外も対象に含まれる

外部委託承認の対象は需要設備だけではありません。電気事業法施行規則52条2項では、需要設備に加えて発電設備等も区分ごとに対象が定められています(2026-06-25確認)。代表的な区分を早見表に整理しますが、対象範囲の細目や例外は所管官庁・e-Govで最新を確認してください。

設備区分外部委託承認の対象(施行規則52条2項、2026-06-25確認)
需要設備電圧7000V以下で受電するもの
太陽電池発電所・蓄電所出力5000kW未満かつ電圧7000V以下で連系等するもの
水力・火力・風力発電所出力2000kW未満かつ電圧7000V以下で連系等するもの
発電所(上記以外)出力1000kW未満かつ電圧7000V以下で連系等するもの
配電線路電圧600V以下のもの

需要設備が中心であることに変わりはありませんが、再生可能エネルギー設備の増加で発電設備等の受託も広がっています。受託側は物件種別ごとに対象区分を確認し、契約台帳に記録しておくと、更新や監査でも根拠をすぐ示せます。

換算係数と「33点上限」の正しい理解

受託側の経営に直結するのが、保安業務従事者1人が担当できる事業場の上限です。ここで使われる換算係数の上限値の根拠は誤解されやすいため、条文と告示の関係を正確に押さえます。

換算係数の上限が施行規則52条の2と告示の二段構成で定められる関係を示した図
換算係数の上限が施行規則52条の2と告示の二段構成で定められる関係を示した図

上限は施行規則52条の2と告示の二段構成

外部委託承認を受けるには、保安管理業務を適正に行える条件を満たす必要があります。電気事業法施行規則52条の2は、その要件の一つとして、別に告示する算定方法で算定した値が別に告示する値未満であることを求めています(2026-06-25確認)。つまり、保安業務従事者1人が担当できる事業場には、換算係数の合計による上限が告示で定められている、という構造です。施行規則本文は算定方法と上限値そのものを告示に委ねており、規則の条文中に具体的な数値が書かれているわけではありません。

「33点」は業界運用値、正確な値は経済産業省告示で確認

実務の現場では、この上限を一般に「33点」と呼び、換算係数の合計が33点未満になるように受託件数を管理する運用が広く知られています。ただし、換算係数の具体的な値や上限値の正確な数値は経済産業省告示で定められており、本記事では告示原典を逐語確認していないため、当社が断定した法令値としては記載しません。実務上は「33点」を目安としつつ、正確な換算係数と上限値は必ず経済産業省告示で確認してください。具体的な換算係数の数表は、設備種別や受電電圧などの条件で細かく定められているため、本記事では掲げません。

受託件数を換算係数で管理する実務

換算係数の上限が告示で定められている以上、受託側の実務は「1人あたりの合計値を上限の範囲に収めながら、どこまで受託できるか」を見える化することに集約されます。

保安業務従事者ごとの受託点数を台帳で集計し残り受託枠を見える化する運用モデルの図
保安業務従事者ごとの受託点数を台帳で集計し残り受託枠を見える化する運用モデルの図

受託点数台帳で1人あたりの担当合計を見える化する

下表は、受託点数の管理を業務システムで一覧化する運用モデルの想定です(当社作成・具体的な換算係数の値は含みません)。換算係数の数値そのものではなく、何を管理項目として持てば上限管理が回るかを整理したものです。

管理項目登録・集計する内容運用のねらい
契約物件の受電電圧・設備区分7000V以下の需要設備か等を契約登録時に判定外部委託承認の対象可否を確定する
物件ごとの換算係数告示の算定方法で求めた各事業場の値を登録担当合計を集計する土台にする
従事者ごとの担当合計担当物件の換算係数を保安業務従事者単位で合計上限値(一般に33点として運用)への到達度を把握
残り受託可能枠上限値から担当合計を差し引いた余力新規受託の可否を即座に判断する

物件の換算係数と従事者ごとの合計、残り枠を一つの台帳で持てると、新規の引き合いに対して「この従事者では枠が足りない」「別の担当なら受けられる」という判断を、勘ではなく数値で下せます。なお、ここで示したのは運用モデルの想定であり、成果を保証するものではありません。

業務システムで点数と点検予定を束ねる

受託点数の管理は、点検予定の管理と切り離せません。担当物件が決まれば、それぞれに法定の点検・測定のサイクルが走り、従事者の稼働として積み上がります。受託点数の合計と点検予定を同じ基盤で持てれば、上限管理と現場の稼働計画を一体で見渡せます。設備HUBは、複数顧客×物件×設備を横断する台帳管理と、点検予定の自動生成・期限超過アラートに対応しており、電気保安に限らず消防・空調・昇降機・貯水槽などの受託も同じ台帳で束ねられます。製品横断で機能や料金を見比べたい場合は、設備保守業務システム比較の記事で各製品の対応範囲を確認し、自社の受託管理に合うかを判断しましょう。

外部委託を受託する電気保安会社の業務管理

外部委託承認の対象判定と受託点数の上限管理が整えば、次に問われるのは日々の保安管理業務をどう回すかです。

受託契約から点検予定・保安規程に基づく記録・報告・請求までを一本につなぐ業務管理の流れを示した図
受託契約から点検予定・保安規程に基づく記録・報告・請求までを一本につなぐ業務管理の流れを示した図

保安規程と点検記録の管理

外部委託で保安管理業務を受託する場合も、保安の枠組みは設置者の保安規程に基づきます(電気事業法42条、2026-06-25確認)。点検記録は、国が定める統一の法定様式があるわけではなく、保安規程に基づいて設置者が定める運用が基本です。受託側は、物件ごとの保安規程の内容に沿って点検・測定の記録を残し、必要なときにすぐ取り出せる形で保存しておくことが求められます。物件が増えるほど記録は分散しやすいため、契約物件ごとに記録を紐づける設計が安定運用の鍵になります。

点検から報告・請求までを一本化する

点検を実施したら、記録を整え、設置者への報告や月次の請求につなげます。モバイルでの点検入力から報告書のPDF作成、月次の請求集計、会計CSV出力(freee・マネーフォワード・弥生)までを同じ流れでつなげられると、受託件数が増えても事務の負荷を抑えながら回せます。電気保安会社・保安法人としての業務管理の全体像は、電気保安会社・保安法人の業務管理の記事で受託管理の論点を整理しています。

よくある質問

電気保安業務の外部委託承認の対象になるのはどんな設備ですか

電圧7000V以下で受電する需要設備が代表的な対象です(電気事業法施行規則52条2項、2026-06-25確認)。このほか、出力5000kW未満かつ7000V以下の太陽電池発電所・蓄電所、出力2000kW未満かつ7000V以下の水力・火力・風力発電所、出力1000kW未満かつ7000V以下のその他発電所、電圧600V以下の配電線路なども区分ごとに対象に含まれます。細目や例外は所管官庁・e-Govで確認してください。

換算係数の上限「33点」は法律のどこに書かれていますか

施行規則の条文そのものに「33」という数値が書かれているわけではありません。電気事業法施行規則52条の2が、別に告示する算定方法で算定した値が別に告示する値未満であることを要件とし、算定方法と上限値を告示に委ねています(2026-06-25確認)。実務では一般に33点として運用されますが、正確な換算係数や上限値は経済産業省告示で確認してください。

主任技術者を選任する場合と外部委託承認はどう違いますか

設置者は原則として主任技術者免状の交付を受けている者のうちから主任技術者を選任します(電気事業法43条、2026-06-25確認)。外部委託承認制度は、一定の小規模な電気工作物について主任技術者を選任せず、保安管理業務を保安法人や電気管理技術者に委託することを認める仕組みです。どちらも保安体制を確保する手段ですが、外部委託承認は委託先の受託件数が換算係数の上限で管理される点に特徴があります。

受託件数が増えてきたら何を基準に新規受託の可否を判断すればよいですか

保安業務従事者1人あたりの換算係数の合計が、告示で定める上限(実務では一般に33点として運用)に対してどれだけ余力があるかを基準にします。物件ごとの換算係数と従事者ごとの担当合計、残り枠を台帳で見える化しておくと、新規の引き合いに対して受けられるかどうかを数値で判断できます。正確な換算係数と上限値は経済産業省告示で確認してください。

電気保安の受託と他設備の点検受託を同じ仕組みで管理できますか

設備種別を横断して管理する業務システムを使えば、電気保安の受託点数管理と、消防・空調・昇降機・貯水槽などの点検受託を同じ台帳で束ねられます。設備HUBは複数顧客×物件×設備を横断する台帳と点検予定の自動生成・期限超過アラートに対応しており、業種の異なる受託をまたいで稼働や期限を見渡せます。

まとめ

電気保安業務の外部委託は、保安の義務を負う設置者が主任技術者を選任せず、保安管理業務を保安法人や電気管理技術者に委託する制度です。対象判定の起点は受電電圧7000V以下で受電する需要設備かどうかで、電気事業法施行規則52条2項で明確に定められています。一方、受託件数の上限となる換算係数や「33点」は施行規則52条の2が告示に委ね、正確な値は経済産業省告示で確認すべき領域です。受託側の実務は、物件ごとの換算係数と従事者ごとの担当合計、残り枠を台帳で見える化し、点検予定や報告・請求までを一本につなぐ運用に集約されます。対象範囲や数値の細目は所管官庁・e-Govと告示で最新を確認してください。


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