
設備保守 業務システム比較|受託点検会社向け6製品の機能・料金一覧と選び方
設備保守業務システムとは、受託点検会社が台帳・保守契約・点検予定・報告書・請求を一元管理する業務支援ツール。
設備保守の業務システムを選ぶとき、まず確認すべきは「自社が点検を受託する側(発注を受ける側)なのか、設備を保有して管理する側なのか」です。本記事は前者、つまり消防設備点検・電気保安・空調保守などを本業とする受託点検会社(10〜50名規模)に向けて、CSOne・プロワン・MONiPLAT・FireNET・Excel+紙・設備HUBの6つを、受託会社の業務フロー6段階を縦軸にして中立に整理します。料金は公開情報のみを扱い、非公開のものは表に載せません。結論から言えば、製品ごとに「強い工程」が異なるため、自社の弱点工程に合うものを選ぶのが失敗しない選び方です。
受託点検会社の業務システムとは・選定6軸
「受託向け」と「保有者向け」は別物
設備保守システムは大きく2種類に分かれます。点検を請け負う受託点検会社向けと、ビルや工場の設備を保有する側(設備保有者)向けです。両者は必要な機能がまったく異なります。受託会社は「複数の顧客・物件を抱え、契約ごとに点検周期が違い、点検後に請求する」のが中心業務です。一方、設備保有者は自社設備の予防保全・劣化管理が中心で、顧客への請求機能は不要です。

この違いを混同すると、保有者向けツールを受託会社が導入して「顧客別の請求ができない」と後で気づくことになります。選定の最初の分岐がここです。
早見表:業務フロー6段階と確認すべき機能
受託点検会社の業務は、次の6段階で流れます。各段階でシステムが何を支援すべきかを早見表にまとめます。
| 段階 | 業務内容 | 確認すべき機能 |
|---|---|---|
| 1. 台帳 | 顧客・物件・設備を登録 | 設備種別を横断管理できるか |
| 2. 契約 | 保守契約と点検周期を設定 | 契約更新の管理ができるか |
| 3. 予定 | 点検予定を生成 | 周期から自動生成できるか |
| 4. 現場 | モバイルで点検入力 | 写真・チェックリスト対応か |
| 5. 報告 | 報告書を作成 | PDF自動生成できるか |
| 6. 請求 | 月次で請求 | 会計連携・適格請求書対応か |

選定6軸
製品を比べるときは、次の6軸で見ると判断しやすくなります。1. 受託会社向けか保有者向けか、2. 6段階のうちどの工程をカバーするか、3. 点検予定を周期から自動生成できるか、4. 料金が公開されているか、5. 課金単位(ID課金か設備数課金か)、6. 自社の規模(人数)に合うか。この6軸は記事末のチェックリストにもまとめます。
6製品の機能比較表
機能比較表
縦に業務フロー6段階、横に6製品を並べた比較表です。○は各社の公開情報で確認できた実装機能のみを示します(2026-06-16確認)。空欄は「対象外」または「公開情報で確認できない」を意味します。
| 業務フロー段階 | CSOne | プロワン | MONiPLAT | FireNET | Excel+紙 | 設備HUB |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1. 台帳管理 | ○ | ○ | ○ | △ | ○ | |
| 2. 保守契約・更新 | ○ | ○ | △ | ○ | ||
| 3. 点検予定の自動生成 | △ | ○ | ||||
| 4. モバイル点検入力 | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
| 5. 報告書PDF | ○ | ○ | ○ | ○ | △ | ○ |
| 6. 月次請求・会計連携 | ○ | △ | ○ |

表の読み方:○は実装済みのみ
この表の○は、各製品が公開している情報で確認できた機能だけに付けています。CSOneの点検予定は機種マスタで任意設定する方式で、法定点検サイクルのプリセットは公開情報に見当たらないため△としています。Excel+紙の△は「手作業なら理論上できるが自動化されない」状態です。設備HUBの列は実装済み機能のみに○を付け、開発予定の機能は表に載せていません。
料金の扱い:公開のみ
料金は公開情報のみを記載します。プロワンとMONiPLATは公式サイトで料金非公開(2026-06-16確認)のため、比較表に料金行を設けていません。公開されているのはCSОne(3ID 24,000円税抜=1名8,000円)、FireNET(1,000円税別〜)、設備HUB(月2,980円/名〜)です。非公開の製品は問い合わせが必要な点を加味して検討してください。
製品別の向き不向き
CSOne:網羅性が高くID課金で中堅向き
CSOneはフィールドサービス管理を幅広くカバーする製品で、台帳から請求まで一通りの機能を備えています。課金はID単位(3ID 24,000円税抜=1名8,000円)で、機能の網羅性を求める中堅規模の会社に向きます。点検予定は機種マスタで任意設定する方式のため、法定点検サイクルの自動プリセットを期待する場合は事前に運用方法を確認するとよいでしょう。
プロワン・MONiPLAT:施工原価・保有側に寄る
プロワン(ミツモア)は設備工事とメンテナンスを統合した製品で、施工管理・原価・受発注の色が濃いのが特徴です。料金は公式で非公開(2026-06-16確認)です。MONiPLAT(バルカー)は設備を保有する側の予防保全に特化し、設備数で課金(ユーザー無制限)します。ただし受託点検会社の顧客・契約・請求管理には対応しておらず、受託業務には間接競合という位置づけです。

FireNET・Excel+紙の限界
FireNET(ファイヤーソリューションズ)は消防点検票などの帳票「作成」に特化したツールで、1,000円税別〜と安価です。一方で契約管理・点検予定の自動生成・月次請求といった業務管理全体は弱く、直近の公開情報は2022年(2026-06-16確認)です。帳票作成だけを切り出したい場合の選択肢になります。Excel+紙の運用は初期費用ゼロで始められますが、点検期日の抜け漏れ、報告書の二重入力、担当者への属人化といった課題が規模拡大とともに表面化します。
設備HUB:法定サイクル自動予定と一気通貫を小規模から
設備HUBは、保守契約の点検周期から点検予定を自動生成し、期限超過をアラートする機能を備えています。台帳・契約・予定・モバイル点検入力・報告書PDF・月次請求・会計CSV出力(freee・マネーフォワード・弥生)までを一気通貫でつなぎ、消防・電気保安・空調・昇降機・貯水槽を横断して管理できます。月2,980円/名〜(6名以上)・4,980円/名(1〜5名)・初期30,000円(いずれも税込)の公開価格で、小規模から始められる点が特徴です。
導入前のコストと運用の注意点
総額試算の考え方:ID数・初期・無料期間
月額単価だけでなく、ID数(利用人数)・初期費用・無料期間を合わせて総額で比べると実態に近づきます。たとえばCSОneの公開価格(1名8,000円)と設備HUBの公開価格(6名以上で月2,980円/名)を人数別に並べると、規模が大きくなるほど差が出ます。以下はあくまで公開価格に基づくモデル試算で、実際の費用やプランは各社への確認が必要です。成果や削減効果を約束するものではありません。
| 人数 | CSOne公式ID課金(試算) | 設備HUB公開価格(税込・試算) |
|---|---|---|
| 1名 | 8,000円 | 4,980円 |
| 5名 | 40,000円 | 24,900円 |
| 10名 | 80,000円 | 29,800円 |
| 20名 | 160,000円 | 59,600円 |
設備HUBは別途初期30,000円・14日間無料トライアル(クレカ不要)があります。CSOneは公開価格をもとにした単純試算で、実際のプラン構成は問い合わせが必要です。
法令数値は一次ソース再確認
本記事は機能・料金の比較に絞っており、法定点検の周期・報告書の保存期間・対象設備のしきい値といった法令上の具体的数値は扱っていません。これらは所管官庁やe-Govで最新の情報を必ず確認してください。システムの選定とは別に、自社の対象業務の法令要件を一次ソースで押さえることが先決です。
乗り換え判断は自社の弱点工程から
製品選びは「どれが一番優れているか」ではなく「自社のどの工程が一番つらいか」から逆算するのが実務的です。点検予定の抜け漏れがつらいなら自動生成機能を、請求と会計の二重入力がつらいなら会計連携を、優先軸に据えます。記事末の選定6軸チェックリストで自社の弱点工程を整理してから、各社へ問い合わせるとよいでしょう。


よくある質問
設備保守の業務システムは受託点検会社と設備保有者でどう選び方が違うか
受託点検会社は複数の顧客・物件を抱え、契約ごとの点検周期管理と顧客への月次請求が中心業務です。設備保有者は自社設備の予防保全が中心で、顧客請求機能は不要です。受託会社が保有者向けツールを選ぶと請求機能が足りないことがあるため、最初にこの分岐を確認します。
CSOneと設備HUBの料金はどちらが安いか(公開情報の名数別比較)
公開価格での単純試算では、CSOneは1名8,000円(3ID 24,000円税抜)、設備HUBは1〜5名4,980円/名・6名以上2,980円/名です。人数が増えるほど設備HUB側が低くなる試算となります。ただし実際のプラン構成は各社への確認が必要で、費用対効果を約束するものではありません。
FireNETは比較対象として今も有効か
FireNETは消防点検票などの帳票作成に特化したツールで、帳票作成だけを切り出したい場合の選択肢になります。ただし契約管理・点検予定の自動生成・月次請求などの業務管理全体は弱く、直近の公開情報は2022年(2026-06-16確認)です。業務全体を一元化したい場合は他製品と併せて検討してください。
プロワンやMONiPLATの料金が表にないのはなぜか
両製品とも公式サイトで料金が非公開(2026-06-16確認)のためです。本記事は公開情報のみを比較対象とする方針のため、非公開の料金を推測して掲載していません。料金を知るには各社へ直接問い合わせる必要があります。
Excelと紙の運用が限界になりやすい理由
点検期日が手動管理のため抜け漏れが起きやすく、現場記録と報告書・請求で同じ情報を二重入力する手間が発生します。さらに作業手順が特定の担当者に依存して属人化しやすく、規模拡大とともにこれらの課題が表面化します。
法定点検の周期や保存期間は記事の数値をそのまま使えるか
本記事は機能・料金の比較に絞っており、法令上の周期・保存期間・しきい値といった具体的数値は扱っていません。これらは法改正や所管官庁の運用で変わるため、e-Govや所管官庁の一次ソースで最新情報を必ず確認してください。
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